ICOがいつの間にか上場、知らないうちに大幅にICO割れしているといった事態が相次いでいます。

CEDEX(セデックス/CED)、Pumapay(プーマペイ/PMA)といった有力ICOもこのような状況で大幅なICO割れに陥っています。

今回はなぜこのような状況が起こるのか、そして今後のICOについてもお伝えしていきます。

CEDEX(セデックス/CED)、Pumapay(プーマペイ/PMA)が大幅ICO割れとなった理由

セデックスは5月下旬、プーマペイは6月下旬に分散型取引所のIDEXに上場しましたが、どちらもICO価格よりも大幅に安い価格からスタートしています。

出来高も少なく、ジリジリと値を下げつつ、相場全体の下落もあってICO価格の20%前後まで暴落しています。

元々は「地合いが良くなければ上場しない」はずでしたが、そもそもの問題としてなぜ下落相場の時期に上場されたのでしょうか?

結論から言えば、ICOの運営元が上場しているのではなく『別の誰かが上場しているため』このような状況になっています。

分散型取引所のIDEXはICOの運営元でなくても上場出来てしまうため、売りたい人達が安値で取引をスタート、結果的に大幅なICO割れを引き起こしています。

プーマペイもセデックスもまだIDEXにしか上場しておらず、運営側による本来の上場(一般取引所への上場)は『地合いが良くなってから』だと思われます。

プーマペイ、セデックスは地力があるため、運営側による一般取引所への正式な上場後には価格が持ち直す可能性もあります。

ただ、どうしてもIDEXでの価格が基準になってしまうため、ICO価格以上に戻るまでにはかなりの時間がかかる可能性も十分に考えられます。

実際、最初にIDEXに勝手に上場されてしまった場合、その価格が基準となってしまい『一般取引所への上場後も全く価格が上がらない』というケースが続出しています。

そして、それを見た一般投資家(主に日本人)が「投資金額を少しでも取り戻したい」という心理から、我先にと損切りしているため売りの連鎖で大暴落が起こっています。

※プーマペイ、セデックスが運営側で上場したのか、それ以外の誰かが上場したのかは不明です。

誰がなぜ大幅なICO割れ価格で売っているのか?

さて、ここで大きな疑問があると思います。

それは「誰がなぜ、わざわざ大幅なICO割れ価格で売っているのか?」ということです。

大幅なICO価格で売れば普通に考えれば大損をしてしまいますので、一般取引所への上場を待たずに自分からわざわざ安値で売るのは不自然ですよね。

ですが、ここにICOの大きな闇があります。

売っているのは『本当の縁故枠』で安く買っている連中

実は我々のような一般投資家がICOを買うよりも前に、海外の富裕層や関係者に安く販売されています。

ICOでは『プライベートセール』『縁故セール』などと呼ばれていますが、名前だけの『プライベートセール』『縁故セール』ではなく、本当の縁故セールですね。

実態は不明ですが、ICO価格の数%~10%程度で販売されているようです。

ICO案件によっては、タダ同然で売られているという話も聞きます。

その後、我々一般投資家が連中(縁故セール購入者)の10倍~100倍以上の高値で買っているのがICOの現実です。

この時点で、縁故枠で安く買った連中は一般ICO価格の1/5、1/10といった価格で売っても大きな利益が出ますので、彼らが売っているわけです。

IDEXは出来高が少ないため海外の富裕層というよりも、関係者が売っていると思われます。

その後、一般取引所に上場して出来高が急増した後、海外の富裕層が大量に売り抜けているはずです。

連中は恐ろしく安く仕入れていますので、一般ICO価格の1/5だろうが1/10だろうが、大きな利益になりますからね。

結果として、上場後の大暴落が引き起こされている、というわけです。

特に今年は地合いが最悪なため、上場後の暴落に落胆した一般投資家(主に日本人)のロスカットが更なる大暴落を引き起こしていると思われます。

まとめますと、

  1. 激安価格で海外の富裕層・関係者が購入する
  2. 一般向けのICOが行われる(価格は『本当の縁故枠』の10倍~100倍以上)
  3. 激安価格で購入したICOを、上場前に関係者がIDEXで大幅なICO割れ価格で売り抜ける
  4. 一般取引所に上場する
  5. IDEXでの価格(安値)が価格の基準になってしまう
  6. 激安価格で購入した海外の富裕層がICO割れ価格で大量に売り浴びせる
  7. 暴落
  8. 大幅なICO割れに狼狽した一般投資家(主に日本人)が狼狽してロスカット
  9. 更なる大暴落
  10. 地合いが悪いため、ドンドンと下がっていく
  11. 買い手がいない
  12. 更に価格は下がっていく

ということになるわけです。

もはや何を買っても大損するのがICOの現実、日本人は養分に

これまでに何回かICOに参加した方は薄々気づいているかもしれませんが、上記の理由により、もはや何を買っても大損するのがICOの現実です。

ICOに参加すればするほど損するわけですね。

上場さえすれば大きく利益を出せた去年とは異なり、今年のICOでは私たち日本人投資家が完全に養分となっています。

本当の縁故枠で激安価格で購入した後に、我々一般投資家が購入することが出来ますので、銘柄が良い悪いに関わらず、高値でしか買えない我々が損するようになっているわけです。

「プライベートセール」「縁故セール」「プレプレセール」「プレセール」「クラウドセール」など色々ありますが、所詮は全てが『本当の縁故枠』で販売された後のことですので、どの段階で買っても損します

イメージ的には一般投資家は1トークン70~100円で買うしかないが、縁故枠では1~10円で販売されている、といった感じです。

この場合、上場後に20~30円になっても縁故枠での購入者は大きな利益が出ますが、今年のICOは正にこの通りの状況となっています。

2017年上場のICOとは異なり、我々一般投資家が損するしかないようなスキームが完成してしまっているわけですね。

ジャスミー、DX、プラグ、オーブス、SWEなどもICO割れ濃厚か

こういった状況ですので、基本的には何を買ってもICO割れ濃厚となります。

そうなるとJASMY(ジャスミー)、DX(DX.Exchange/旧CX/旧Coins.Exchange)、PLUG(プラグ/pl^g)、ORBS(オーブス)、SWE(シルバーウェーブエナジー/Silver Wave Energy/シルバーコイン)など超有力ICOもICO割れ濃厚といえますが、もしかしたらオーブス以外はそうはならないかもしれません。

そのヒントがCentrality(セントラリティ/CENNZ)となります。

10倍以上になったCentrality(セントラリティ/CENNZ)にヒント

上場時のICO割れ、それも大幅なICO割れが続出する中、異彩を放っているのがセントラリティです。

上場から暫くは10倍前後で推移(取引所の特性上、瞬間的には数千倍)していますので、このセントラリティにICO割れ回避のヒントがありそうです。

  • 縁故枠での販売がない、もしくは少ない
  • 縁故枠での販売に一定期間のロックをかけている
  • 代理店やアフィリエイター・紹介者が受け取るトークンにロックをかけている
  • 代理店やアフィリエイター・紹介者の報酬としてBTCやETH、現金で支払う(紹介トークンの売り抜けを防ぐため)
  • 運営側が公正なICOを心がけている
  • 運営側が上場後も価格を上昇させたいと本気で考えている(上場がゴールとは考えていない)
  • トークンの配布から上場までが早い
  • 最初に自社取引所、もしくは関連取引所・関係が深い取引所に上場して価格の安定を図る

上記が縁故枠での購入者によるICO割れを防ぐための主な施策となります。

セントラリティがこれらをどれだけ実現できていたかは分かりませんが、少なくとも上記のいくつかの対策を行っていたことは間違いないでしょう(最初に上場した取引所は関連取引所)。

そしてセントラリティと関係の深いプラグとジャスミー(特にプラグ)はセントラリティの手法をほぼ踏襲、もしくは参考にすると思われますので、この2銘柄については『縁故枠での購入者によるICO割れ』の可能性は低いかもしれません。

また、DXにもセントラリティと同じアドバイザーがついていますので、もしかしたら『縁故枠での購入者によるICO割れ』の可能性が低くなるかもしれません。

セントラリティは関係が深い分散型取引所のSingularXに最初に上場しましたが、プラグもおそらく最初にSingularXに上場すると思われます。

ジャスミーも最初に上場する取引所がSingularXになる可能性が比較的高く、DXも同じくSingularXに最初に上場する可能性があると考えています。

この場合にはプーマペイやセデックスのような悲劇は起こらないと言えるでしょう。

ただ、イスラエル系ICO最後の砦ともいえるオーブスについては、同じイスラエル系ICOのプーマペイやエンドールと購入者層がほぼ同じと思われますので、プーマペイ同様に『縁故枠での購入者によるICO割れ』が起こる可能性が高いと言えます。

SWEについては、上場後に多数の有名企業が爆買いするはずですので、この通りになればICO割れは起こらないはずです。

というよりも、今回挙げたプラグ、ジャスミー、オーブス、SWEの中で最もICO割れの可能性が低いのがSWEとなります。

仮に、縁故枠での購入者がIDEXで安く売ったところで、一般取引所への上場後に『多くの一流企業』が大きな買いをバンバン入れてきますので、基本的には今回の話と全く関係ない唯一のICOがSWEだと考えています。

SWEにはそれだけ安定感があるということですね。

ただし、可能性は極めて低いとは思いますが、もしも大手企業の買いが入らなければ当然ながらICO割れの可能性が出てきます。

ICO割れの効果的な対策とは?

セントラリティ、SWE、プラグ、ジャスミーは例外中の例外と言えますが、基本的には何を買っても大きな損失を被るのが現在のICOです。

そこで、ICO割れ対策についてお伝えしておきます。

ICOには参加しない

こちらは今後の対策ということになりますが、一部の例外を除いては現在のICOは何を買っても大損しますので「ICOには参加しない」ということが最善の対策となります。

プロモーション系ICOはそもそも論外ですが、一般のICOでも「参加しない」ということがベストの選択になります。

将来性のある優良ICOは上場後に安値で買い増しする

ここからは既にICOで購入している場合の対策となります。

プラグ、ジャスミー、DX、オーブス、SWE、テレグラムといった将来性のある優良ICOについては、上場後に安値で買うことが最善の対策と言えます。

いわゆる『ナンピン』ということになりますが、取得単価を大幅に下げることが出来ます。

そして、今回挙げた銘柄は将来的にはほぼ確実に上がる銘柄ですので、中長期で見た場合には『最高の買い場』といえます。

ですので、仮にこれらの優良銘柄がICO割れ、それも大幅なICO割れとなった場合にはバーゲンセールで買うことが出来るということですので、絶好の買い場となります。

万が一、ICO価格の1/10になってしまった場合でも「10分の1の価格で買える!」と思えば、ある意味では超ラッキーと言えるでしょう。

優良銘柄をICOで購入し、もしもICO割れが起こってしまった場合には『発想の転換』が大切となります。

『今の価格』よりも『将来の価格』を見ることが重要です。

現金(円)を貯めておく

ただし、買い増しするためには当然ながら現金(日本円)が必要になりますので、今は現金を貯めておくことが重要となります。

出来れば円を増やしたいところですが、中々難しいと思いますので、まずは『円を貯めておく』ことを意識しておいた方がいいです。

SWEは7月、DXは7下旬~8月、オーブスは7月~12月に上場予定で、プラグとジャスミー、テレグラムは上場日程が未定ですが、これらの銘柄が上場した時が勝負となります。

SWEのICO割れの可能性は低いですが、それ以外の銘柄のいくつかでICO割れ、それも大幅なICO割れが起こる可能性が高いため、そうなった時に買い増しできるかどうかが仮想通貨人生・投資人生を決めると言っても過言ではないでしょう。

チャンスはおそらく何回かあると思いますので、その時のために『円を増やしておく』、最低でも『円を貯めておく』ことが何よりも重要となります。

まとめ

最後に、今回の内容を箇条書きで纏めておきます。

  • 優良銘柄のICOは上場前にIDEXで安く売られているのが原因
  • 一般取引所に上場しても、IDEXでの価格が基準になってしまうため価格が上がらない
  • 最近はこのパターンでの大幅ICO割れが続出している
  • 海外の富裕層・関係者は一般ICO価格の数%~10%、もしくはタダ当然で購入している
  • 売っているのは『本当の縁故枠』で激安で購入した連中
  • 出来高の少ないIDEXで売り抜けているのは関係者か
  • 一般取引所への上場後に海外の富裕層が大量に売り浴びせ
  • 一般投資家が慌ててロスカットするので更なる大暴落が起きる
  • もはや何を買っても大損するのがICO
  • SWE、ジャスミー、プラグ、DXだけは『縁故枠での購入者によるICO割れ』が起こらないかもしれない
  • 今後はICOに参加しないことが最善の対策
  • 既に優良ICOに参加している場合、上場後に安値で購入して取得単価を下げる
  • 優良ICOの場合には中長期的にはほぼ確実に上がるので、大幅なICO割れの時に買い増しできるかが命運を分ける
  • 優良ICOの大幅ICO割れが起きた時のために、出来れば現金を増やしておく。最低でも現金を貯めておく
  • 絶好のチャンス(優良ICOの大幅ICO割れ)はおそらく数回程度はある

以上となりますが、優良銘柄は中長期的には大きく上昇していくことはほぼ確実ですので、一時的なICO割れで悲観的になるのではなく、将来の価格を見てポジティブに考えていくことが重要となります。