HitBTCが6月2日夜、突如日本居住者へのサービス停止を発表しましたが、これは金融庁からの指摘(クレーム)に基づくことは確実でしょう。

金融庁は「日本人へのサービス停止」を世界中の海外取引所に要請していますが、このまま日本居住者や日本人は海外取引所を使えなくなってしまうのでしょうか。

それとも、HitBTCなどいくつかの取引所に限定されるのか、少し考えていきます。

 

HitBTCには金融庁から特に強いクレームが届いていた可能性

今回、日本人へのサービス停止を発表したHitBTCですが、金融庁から他の海外取引所よりも『特に強いクレーム』が届いていた可能性が高いとみています。

その理由は以下の通りです。

  1. 日本人向けICOの上場先として定着していた
  2. それらのICOはクレームが多かった
  3. 公式サイトが日本語に対応していた(現在は削除)
  4. 日本人向けの営業を行っていた
  5. 日本人の利用者が多かった
  6. 運営会社の詳細が不明

日本人向けICOの上場先として定着していた

最近は顕著でしたが、HitBTCは日本人向けのICOの上場先として有名でした。

また、一番最初に上場されることが多く、そのことも問題視された可能性が高いです。

日本人向けICOは詐欺が多くクレームが多かった

それらの日本人向けICOは詐欺やそれに近いICOも多く、必然的にクレームも多かったようです。

そのため、金融庁としてもHitBTCを優先して早期に対応したと考えられます。

公式サイトが日本語に対応していた(現在は削除)

また、公式サイトが日本語に対応していたことを金融庁が問題視していたことも既に明らかになっています。

バイナンスなども日本語に対応していましたが、金融庁の指摘(クレーム)により、かなり昔に削除されています。

HitBTCも少し前まで日本語に対応していましたが突然削除されましたので、バイナンス同様、金融庁の指摘(クレーム)で削除したと思われます。

日本人向けの営業を行っていた

公式サイトの日本語対応とも関係していますが、『日本人向けの営業を行っていた』ことも金融庁は問題視していました。

こちらもバイナンスが先に金融庁からの指摘を受けています。

HitBTCもバイナンスも『成果報酬(アフィリエイト報酬)』を支払って日本人の顧客を獲得していましたが、金融庁にとってはこのことを特に問題視しており、『より悪質性が高い』と判断したと考えられます。

日本人の利用者が多かった

これはHitBTCに限らず、大手の海外取引所はどこも同じですが、「日本人の利用者が多い」という特徴があります。

その中でも日本人向けICOの上場が相次いだHitBTCは特に日本人の利用者が多いと思われ、他の取引所よりも強いクレームが届いたと考えられます。

運営会社の詳細が不明

こちらは金融庁からの指摘に関係があったのかどうかは不明ですが、HitBTCはイギリスのロンドンにあるとされていますが、運営会社の詳細は不明です。

運営会社名や住所、電話番号、代表者などは公開されておらず、そのことが問題になった可能性も十分に考えられます。

金融庁からの指摘にはランクが存在する?

以上のことから考えると、金融庁の最大のターゲットがHitBTCだったということがいえます。

そして、HitBTCの特徴を分析することで、これから日本人が取引できなくなる海外取引所も想像が出来てきます。

おそらくですが、金融庁は海外取引所にランク付けを行っており、(金融庁にとっての)悪質な海外取引所から強いクレームを入れていると想定されます。

HitBTCの特徴を踏まえると、以下のようなランク付けが存在していると考えています。

  1. レベル1:日本人の利用者が多い
  2. レベル2:日本人向けの営業を行っている(成果報酬なし)
  3. レベル3:日本人向けの営業を行っている(成果報酬あり)
  4. レベル4:日本人向けICOの有力な上場先である
  5. レベル5:日本人向けICOは詐欺的な銘柄を多く取り扱っている

証拠はありませんが、おそらく大きくは間違っていないはずです。

次はバイナンスが危ない?

金融庁はHitBTC以外にも同様の指摘(クレーム)を送っているはずですが、次に危ないのはバイナンスでしょう。

既に金融庁がかなり強い内容の文書を送付していることが明らかになっていますし、HitBTC同様に『成果報酬あり』で日本人向けの営業にも力を入れていました。

むしろHitBTCよりも前に「バイナンスが日本人向けのサービスを止める」と見られていたぐらいです。

ただ、日本の金融庁の指摘があっても金融庁の管轄下にはない海外取引所には従う必要はありませんので、どうするかはその取引所次第となります。

一方で、バイナンスは一度は否定した「日本で取引所を設立する」という話も再び浮上してきていますので、その場合には日本人はバイナンスの海外取引所での取引が不可能になるはずです。

日本人向けICOの有力な上場先も危険

また、日本人が取引できなくなる可能性が高い海外取引所としては、日本人向けICOの有力な情報先も危険と言えるでしょう。

現在はHitBTCに集中しており、他は分散している印象ですので、ここに該当する海外取引所はあまりありませんが、強いて言えばYobitあたりが多少危ないかもしれません。

ただ、Yobitはロシアの取引所ですので、日本の金融庁の指導に従う可能性は低いかもしれません。

大手取引所も要注意

今回のHitBTCや金融庁が以前から注視しているバイナンスもそうですが、大手取引所は全体的に要注意です。

大手の海外取引所はどこも日本人が多く、金融庁としても特にマークしている可能性が高いからです。

小さい取引所100社とやり取りするよりも、大手10社~15社程度に絞った方が効率がいいですし、大手ほど日本人が多い傾向にあります。

ですので、やはり大手(取引高の上位10社~15社程度)は今後『日本人が取引中止』となる可能性が比較的高いと言えるでしょう。

中小の海外取引所は当面は安泰か?

その一方で、中小の海外取引所は当面は安泰かもしれません。

中小の海外取引所にも金融庁は『日本人へのサービスを中止ください』という趣旨のメールを出しているようですが、中小の取引所は元々日本人の利用者が少なく、個人情報を一切入力せずに簡単に取引開始できる取引所が多いため、すぐに『日本人へのサービス中止』となる可能性は低いと言えるでしょう。

また、金融庁としても中小の海外取引所に注力しても効率が悪いため、優先順位としてはかなり低いと言えそうです。

それよりも大手を優先するはずですので、まずは大手がほとんど取引中止になってから、中小の海外取引所へと向かうはずです。

最近は中小の海外取引所が爆発的に増えており、大手以外にもどこかの中小取引所に上場するICOがほとんどのため、仮に大手が使えなくなったとしても当面は中小の取引所で売買できるかと思います。

ほとんどの海外取引所が使えなくなった場合の対処法

なお、『最悪の事態』として仮に全ての海外取引所が使えなくなった場合の対処法としては、前回の記事に纏めていますので、前回の記事をご覧頂ければと思います。

HitBTCが日本居住者へのサービス中止を発表、今後は他の海外取引所へも波及か